(page4/5)


まんま言えば、あんたの所為で俺はこんなにイラつく羽目になっちまった。
癪の種はどこにでもいくつでも転がってて。
例えば理由の分からない不在とか。
誰かから来る分厚い手紙とか。
あんたが誰かと談笑なんてしてた日にゃ、俺はもう我慢ならなくて。
だいたいヤリてえ盛りのくせにその紳士面!
生身の人間の欲望があって当たり前なのに、あんたはそんな素振りも見せねえ。
でも口惜しいことに、俺は違う。
俺には自分を取り繕ってみせるなんて器用な真似はできねえ。
だからよけいに腹が立つのだ。
だってあんたは俺の気持ちにをとっくに汲んでてくれていい筈なんだぜ?
この怒りは間違いなく正当だ。
どっちにしても、もう長くは隠せねえのに変わりはねえけど。

あー。
・・・どう言えばいいんだよ?

糞。
だから!
よーするに!
おまえ二言目には「チキン、チキンライスでも食いに行くかそれともお子様ランチがいいか?」なんて俺をからかう事に休暇の大部分を費やしてるよな。
もしかして忘れちまったのか?
最初に言ったアレだよアレ。
それとも俺が「おめでとうございますサイファー・アルマシーさん合格です」なんつって律儀にお返事するまで待ってる気なのか?

・・・ぐずぐずすんな。
さっさと俺をあんたのものにしろよ。
俺だけのあんたになれよ。
次頁へ
前頁へ
一覧に戻る