解説
ゼルの誕生日に因んでの「KALEIDOSCOPE」如月アヤ様との共同企画。
「KALEIDOSCOPE」様のサイファーと「GARDENIZEN」のゼルによるイレギュラーサイゼルチャットログです。
誕生日ということで遊園地デート(笑)の約束をこぎつけたゼル。
ゼルは前日まで任務だったため現地ホテルにおり、当日朝にガーデンからやってくるサイファーとホテルロビーで待ち合わせるという設定。
「KALEIDOSCOPE」の二人と「GARDENIZEN」の二人が偶然同じ場所で、ただし2時間違いの待ち合わせの約束をしたのですが、先に待ち合わせていたはずの「GARDENIZEN」のゼルが2時間も寝坊して遅刻してしまい、加えて「KALEIDOSCOPE」のゼルも寝坊して遅刻したために「GARDENIZEN」のゼルと「KALEIDOSCOPE」のサイファーが合流してデートしてしまう、というハプニングです。←ややこしくてすみません(^^;)
キャスティングは、サイファーが如月アヤ様、ゼルが柚葉でお送りします。
なお、ログ終了後の第二幕(後日談)は「KALEIDOSCOPE」様と「GARDENIZEN」それぞれで小説としてUPする予定ですので、よろしかったらあわせてお楽しみ下さいませ。
文責:柚葉


(ホテルロビー、幾分青ざめた顔でぶつぶつ言いながら登場)

あー、やべえ‥‥やべえよ‥‥

よりによって2時間遅刻だぜ‥‥待ってねえよな‥いくらなんでもよ‥‥。あ、あれ?

(ロビーの隅のソファーにサイファー発見、脚を止め)サ‥‥サイファー??

(ソファーに深く腰を降ろし吸っていたタバコを揉み消しロビー全体に視線を巡らせる)

(自分の名前を呼ぶゼルに気が付き)・・・んだ、チキン。なに不思議そうなツラしてやがる?

(腕に嵌めた時計を確認し)・・・・・・てめぇにしちゃ、上出来な時間じゃねぇか。もうちっと待たされるかと思ったけどな。(腕を伸ばして指先で額を弾く)

え。いや‥あれ?(弾かれて首をすくめ、まじまじと顔を見つめる)

んと‥‥寝坊、しちまって‥。待たせてワリい‥‥?

寝坊は寝坊でも・・・ま、こんなもんだろ。てめぇ、任務明けだしな?

もう30分も待たされりゃ、部屋まで乗り込んで叩き起こしてやろうと思ってたんだが…今日は、まぁ…許してやる。(言葉と裏腹に笑顔で言う)

お、おう‥‥?(笑顔に戸惑いつつ頷く)

(なんだろ、てっきりもういねえと思ったのによ。おまけに怒鳴りもしねえなんて調子狂うぜ。なんか裏があんじゃねえだろな?)‥‥あ、いけね!ワリ、サイファー!(ぱん、と両手を合わせ拝む格好で恐る恐るサイファー見上げ)寝坊しちまったから、その、車もまだ借りてねえんだ、ごめ!

……ああ?てめぇ、まだ寝ぼけてやがんのか?(眉間に皺を刻み、ゼルを眺め)

俺が借りておくって言っただろうが。(コートのポケットから鍵を取り出し、見せ)…ったく、どうしょうもねぇチキン頭だな、相変わらず。3歩歩けば忘れる、ってか?てめぇのココは、よ?(からかうようにゼルの立ち上げた前髪を指でくしゃくしゃに崩す)

わ、ちょっ、なにすんだよ!(慌てて指払い除け)‥‥そ、そだっけ?‥‥んじゃま、いっか‥‥(訳解らぬままにも納得)

(んだ?こいつ…さっきからワケの分かんねぇこと言いやがって…あれか?寝不足で頭ん中、ぶっ飛んじまってんのか?)…何だか知らねぇが、納得したみてぇだな。

なら行くぞ、てめぇの遅刻でいい加減、時間無駄にしてんだ。(促しつつホテル前の車止めに向かって歩き出す)

え、うん‥‥あ、待てよ!(慌てて後を追ってホテルの外に出る)

(ホテル前に止めてある車に近づきつつサイファーを追い抜き)なあなあ、オレ運転してえ!いーだろ?(運転席側に走りよってサイファーを振り返る)

……いーだろって、てめぇ…(言い淀み、しばしゼルの顔を見て)

今日は…仕方ねぇが、街ん中はてめぇはそっちで我慢しろ。(顎で助手席側を示し)

少ししたら…代わってやる。もし一言でも文句があんならこの話はナシ、だぜ?チキン。(ドアを開け運転席に乗り込む)

えええ。‥ちぇ、わかったよ‥。(あからさまな不満顔になりつつも、しぶしぶ助手席側に回り)

(なんだよ、やっぱいつものこいつじゃん‥)んじゃ早くいこーぜ。(助手席におさまるや否やせかし)

てめぇ、寝坊しといてその口の利き方か?(キーを回しながら横目で睨み付け)

相変わらずクソ生意気なチキンだぜ…まぁ、それが可愛いっちゃ可愛いけどな。…いいぜ、今日ぐれぇは好きに言わせといてやる。(薄く笑ってアクセルを踏み込む)

わ、ちょっ‥‥!(急発進にヘッドレストに頭をぶつけ)ってえな!もうちょっと丁寧に発進しろよな、もう!(ぶつぶつ言いながら頭をさすって、座席に深く身を鎮める)





〜〜〜っ、チキン!てめぇ、二度と運転なんてするんじゃねぇっ!!金輪際、ハンドル握ったら許さねぇからな!(助手席側から降りるなり怒鳴りつけ)

うるせえな!あんたが隣でごちゃごちゃうるせえから手元がミスったんじゃねえか!(怒鳴り返しながら車を降りるが、ふと目の前の観覧者を見上げ)

うお、高えな!ガキんとき以来だけど、今みてもやっぱでっけえや。

(無邪気に観覧車を眺める姿に怒りを忘れ苦笑いをし)…ガキんとき以来って、今でもガキそのものじゃねぇか。んな、乗りたきゃ…最後に乗せてやるぜ?

誰がガキだ!(犬歯を剥くも、やっぱりこみあげる嬉しさに頬が緩む)おう、観覧車はやっぱ最後だよな、うん!‥‥つーかそれより俺腹減っちまってよう。飯食おうぜ飯!(今にも走り出しそうに先に立ってサイファーの袖を引く)

そういや、てめぇ…朝飯も食ってねぇだろ。(呆れたように真上から見下ろし)

なら、まずはてめぇの腹から満足させてやるか。んな引っ張らなくても好きなモン食わせてやるから、慌てんじゃねぇ!(袖を掴む手を払い、走り出そうとするゼルの首根っこを掴む)

うわっぷ!苦しいっての!(掴まれて暴れながら引き摺られるようにしてチケット売り場を通る)

(せかせかと園内に入ってぐるりと見回し、ホットドックの売店に目を止めて顔輝かせ)あ、あれ!アレ食いてえ!オレ買ってくる!(言うや否や走り出そうとする)

だから待てって言ってんだろ!ったく、そんなんだからマジでガキだってんだろうが!(走り出す寸前で腕を捕まえ)

好きなモン、食わしてやるって言ったじゃねぇか……慌てなくても逃げねぇから少し落ち着きやがれ!…おら、どれがいいんだ?(宥めすかしつつ売店の前に移動する)

なんで止めんだよ!!オレ、腹減って死にそーなんだよっ!!‥‥‥‥え?え?(虚をつかれてサイファーの顔見つめ)か‥‥買ってくれんのか?あんたが??(茫然)

…あんたがって…てめぇな……(溜息)食わせてやるって言っただろうが…別に、そこまで驚くコトじゃねぇだろ?(怪訝そうにゼルを見る)

いや、だって‥‥(な、なんなんだ一体??‥‥ん。あ、そか!誕生日だからか!!)‥‥ごめ、なんでもねえ!(ぶんぶん)えと‥‥そのオニオン入ってるやつ!マスタード抜き!(店先のメニュー指差し)

チキン…そんだけで腹、足りんのか?後で腹が減ったって喚くのはてめぇだろうが・・・・・・遠慮してねぇで食えるなら、もう少し食っとけよ。

え。う、うん、んじゃあとそのフランクフルトとフィッシュ&チップスと‥‥(ふとまた別の売店に目をやり)あっ、あとあっち!アレも食う!(チュロスとクレープのワゴンをせかせかと指差す)

(後ろを着いて歩き支払いを済ませつつ)―――おい、チキン!歩きながら食うんじゃねぇっ!目の前に座るトコ、あんだろうが!

……ったく、みっともねぇ真似しやがって…ガキじゃねぇってんなら、ちったあ態度で見せて見ろ!……おい、これもいるんだろ?(ゼル用に買ったコーラを持って歩み寄る)

えー、細かい事言うなよ!(ぶつぶつ言いながら素直にベンチに座るが、ホットドック頬張りつつまだきょろきょろと別の売店を物色する)大体今日のあんた、朝からごちゃご‥‥う。(はたと動き止め←頬張りすぎて喉につまった:笑)

‥‥っ!‥!!(真っ赤になってサイファーの手からコーラを奪い夢中で飲み干す)‥‥‥‥っ!!(炭酸に肩を竦めて耐え)‥‥ああ、焦った!

だから慌てんなって、何度も…言ってんじゃねぇか……(ゼルの様子笑いを噛み殺し)おまけに、よ…?

ん?なんだ?(再びホットドック頬張りだし←頬にケチャップがついている/笑)

‥‥あ、そか。ごめ、オレばっか食っちまってんな。あんたも食うだろ?(もごもごしつつポテト差出し)

いらねぇ、てめぇが全部食っちまえ。別に俺は腹が空いてねぇしな。(差し出されたポテトをやんわり押し戻し)

……んなモンよりも…(そっと顔を近寄せ、ゼルの頬を舌で舐め取り)ご丁寧に、ケチャップ付きたぁ…こんな時間からてめぇが俺のご馳走にでもなってくれんのか?

‥‥へっ?(いきなりの行動に、一瞬何が起きたかわからない)

‥‥あ。(みるみる内に赤面、ホットドックを取り落としそうになって慌てて掴み直し)ば、ばっ、何すんだよいきなり!!(コーラの空きカップを力いっぱい投げ付ける)

危ねぇなぁ…?(宙でカップを掴み取りふいに声をひそめ)…こういうモンを人に向かって投げたらいけねぇって、ガキの頃に習わなかったか?

う、うるせえっ!!‥‥相変わらず所構わず盛りやがって!!(真っ赤になったまま睨み付けてそっぽを向き、無闇にポテトも頬張る)

(素早くゼルの肩を抱き寄せ)……今夜、きっちり俺が教えてやるぜ…なぁ?チキン……(耳元で囁く)

‥‥っ!!(囁き声にぞくりと竦み上がる)おおおおしえなくていいっ!!!(狼狽してがばりと立ち上がり)

ん、んなことより!ほ、ほら腹いっぱいになったからよ!(ぎこちなく両手でホットドックとポテトの包みを丸め)は、早くなんか乗ろーぜ、うん!!(←話をそらそうとして必死らしい)

マジでてめぇ、可愛いぜ…いくら俺でも、ココでやりゃしねぇ。(焦るゼルを余裕で眺め)

で、どれから乗りてぇんだ?てめぇの好きにしろ。(立ち上がりゼルを促す)

あ、ああ当たり前だっ!やられてたまるか!!(怒鳴り)‥‥うう、くそ‥‥!(なおも赤面しつつも必死で気を取り直し)

んーと、あ‥‥あれ。あれがいいな。なんか凄そうじゃねえ?(そびえるジェットコースターに向かって歩き出す)‥‥そういや、オレさ。ジェットコースターって、ガキの頃はすっげえ苦手だったんだけどよ。

昔ダチと一緒に遊園地行った事あんだけど、そのダチがやたら身体もでかくって喧嘩も強くってさ。コースターなんか怖くねえっつうから、オレ、負けんのが悔しくって。怖えの必死で我慢して一緒に乗ったら、結局そいつの方が先に泣き出しちまってよ。あん時はすげえおかしかったなあ。んでもそれ以来平気んなったんだよなー。

ふん、怖くねぇってぇんなら……アレに乗っても絶対ぇ…泣かねぇんだな?(ゼルとコースターを交互に見やり)

泣き虫チキンが、泣かねぇって言ってんだ。その言葉がどこまで本物か、楽しみだぜ。(にやりと笑う)

ええ?(振り返り)ばっか、泣くかよ!もうガキじゃねえんだぜ!(笑)つか、そういうあんたこそホントはコースター苦手だったりしてな。

どうせまた「くだらねえ、乗らねえ」だろ?ホントは苦手だから乗りたくねえんじゃねえの?(ここぞとばかりに胸そらし)

チキン、てめぇ誰に向かって言ってんだ…?俺が苦手だなんざ、よくも思いつくもんだぜ。(目を細め)

……確かに「くだらねえ」たぁ言うが「乗らねえ」とも言ってねぇ!その目で確かめやがれ!!(ゼルを引き摺ってコースターに向かう)

へ!?(唖然として乗り場前に引き摺られ)い、一緒に乗ってくれんのか‥‥?←どうせ誘っても無駄だと思ってたかをくくっていた

(係員に腕に嵌めたパスを見せ)一緒に乗らなきゃ、てめぇが泣いたかどうか分かんねぇし、俺が苦手じゃねぇって証明にもなんねぇだろうが。

……もちろん、一番前に乗るんだろうなぁ?(コースターを前にして)

お、おうよ‥‥(珍獣でも見るようにまじまじとサイファーを見ている)

‥‥‥‥(一番前の席に収まって、何か言おうとするが、言葉のみこみ)‥‥こんなんなら、年中誕生日だったらいいのにな‥‥(あらぬ方を見ながらぼそぼそと独りつぶやく)

―――あ?てめぇ今、何か言った………っ!(聞き返す前に急速にGがかかり言葉が途切れる)





(少しふらついた足取りで乗り場出口から出てくるゼル)‥‥‥‥(半ば放心状態でベンチに浅く腰掛け)‥‥うう‥‥目、目がまわった‥‥(がくり項垂れ)

(近付くサイファーを見上げ)よ、良く平気だなあんた‥‥(汗)

…まあな。(平然と応え)

それにしても、てめぇが泣き声どころか、喜んじまったのは……誤算だったがな…大丈夫か?(苦笑しつつベンチの背にもたれかかるゼルを覗き込む)

う。(間近の顔に少したじろいて顔背け)だ、だから言ったろ、平気んなったんだよ、コースターは。(意識をはっきりさせようと頭をふり)いまだに苦手なのっつったら、おば‥‥(言いかけてはたと口噤み)

い、いやなんでもねえ!(慌てて立ち上がり)よっし、んじゃ次は、あれだ!あれ乗ろーぜ!(バイキング指差し)





(さんざん乗り倒し、ゼルと共にベンチに向かう)

(ぐったりとベンチに腰を降ろすゼルに飲み物を渡しつつ)…こ、の……チキン!てめぇの目が回るほど、カップ回すバカがどこにいやがんだ!俺まで目が回っちまったじゃねぇか!

今までてめぇに付き合ってやったんだ…(自分も手にした飲み物を口に運びながら)次は、俺に付き合って貰うぜ……まさか嫌だなんざ、言わねぇよなあ?

うるせえな!!(カップを受け取り怒鳴り返すも、またずるずるとベンチにもたれ)やれるもんならやってみろっつったのはあんただろ‥!‥‥なんだよ、付き合うって?(カップの縁を噛みつつ)

んなの、決まってんじゃねぇか…(含み笑いをしながら)いい感じに陽も暮れてきたトコだ、行くとこなんざ一つだろう?ほら、行くぜ。(ぐったりしているゼルに手を差し出す)

ええ?(鼻先に皺寄せて差し出された手とサイファーの顔を見比べる)なんだっつうんだよ、一体。(不満げながらも素直に手を掴んで立ち上がる)

……どこに行くのかそんなに、気になるか?(僅かに身を屈めゼルの瞳を覗き込み)……着いてからの、お楽しみってな。てめぇが泣いて喜ぶコト、請け合いだぜ?(にやりと笑って手を掴んだまま歩き出す)

な、泣いて‥‥?(大人しく引っ張られながらも警戒心をあらわにする)‥‥おい、どこ連れてくつもりだよ‥またなんかろくでもねーこと考えてるんじゃねえだろな。

俺がてめぇを、んな目に合わせるワケねぇだろが…ちったぁ信用しやがれ、チキン。(引いていた手を更に引き寄せ、肩を抱くようにして目的の場所へ向かう)

信用、って‥‥そーゆーコトは普段の行いで‥って。(見えてきた「目的の場所」に、嫌な予感を覚える)‥おい。まさか‥あ、あそこか‥?(迫ってくる建物を恐る恐る指差し)

その通り、ビンゴだ。(逃げられないように殊更強く、肩を抱き寄せ)…もうすぐ日も暮れんだ……お誂え向きの場所、だろう?(ゼルの耳元に唇を寄せ、わざとらしいほどゆっくりと囁く)

ちょ、ちょっ、待っ…!(逃れようともがき)そ、そこで喋んじゃねえ!(ぞくりと耳元の声に肩をそびやかせ)…いやその、あ、あそこはやめねえ?ほら、なんつうかガキくせえしよ…!(目が泳ぐ)

……ガキくせぇかどうか、てめぇのその目で確かめて見りゃいいじゃねぇか。それとも、(一旦言葉を区切り)…入るのが怖ぇか。

なっ‥‥!!(一瞬顔が強張るが、たちまち真っ赤になって犬歯剥き)だ、だだ誰が怖えなんて言ったっ!馬鹿にすんな!怖くなんかねえ!!

(ゼルの様子に肩を震わせ)……怖ぇんなら、そう言やぁいいだけだぜ?チキンならチキンらしく、俺の腕の中で可愛らしく震えてりゃいい…(腕の中に抱き締めつつ、どこか小馬鹿にしたように)

ば、ばっ‥‥!!(しどろもどろで言葉にならない)ふ、ふざけんな!怖くなんかねえっつってるだろ、馬鹿にすんなっ!!ああもうわかったよ入ってやろーじゃねえか!!(力任せに腕を振りほどき)

見てろよ!んなぐれえでビビるようなガキじゃねえっつうとこを見せてやる!ほらこいよっ!!(やけくそに腕を引っ張って入り口に向かう)

(笑いを堪え)ならよ?見せて貰おうじゃねぇか…てめぇがガキじゃねぇって、証拠をな?(腕を引かれるまま、中へと入る)

うるせえ!(怒鳴りつつ足を踏み入れるが、暗がりに思わず腰がひける)…ば、馬鹿に暗えな、くそ…!

どうした?足が止まってんぜ…(後ろに立ち、ゼルの腰に手を当て)……相変わらず、暗ぇトコが苦手みてぇだなぁ?

なぁ…素直に言っちまえ…怖ぇ、ってよ。そうすりゃ今すぐにでも、俺がココから連れ出してやるぜ…ゼル……(低く囁き、耳朶の後ろにキスを落とす)

!!うひゃあ!!(キスに飛び上がり)い、いきなり何すんだ馬鹿っ!びっくりすんじゃねえか!!(サイファーの胸板に肘鉄を食らわせる)こ、怖くなんかねえっつってるだろ!(暗闇の中で犬歯剥き出してやけくそに踏み出し、腰が引けつつ奥にすすんでいく)

っ、痛ぇじゃねぇか……(胸に食らった肘鉄に低く唸り)チキンのくせに……怖くねぇだ…?(前を歩くゼルの背中を目を細めて見つめ)

いい度胸、してんじゃねぇか…(呟きつつ大股でゼルを抜き去り)だったら俺は先に行かせて貰うぜ、チキン?みっともねぇ泣き顔、晒さねぇ様にせいぜい頑張るこったな。(振り返らず、歩いて行く)

(抜き去ったサイファーの背中にぎょっとして目を見張り)…え。え?あ、ちょっ…!(咄嗟に袖を引こうとして慌てて腕を引っ込める)く、くそっ…誰が泣くかよ!!(拳を固め)

うう…怖くねえ…怖くねえ…(ぶつぶつ呟きながらサイファーの後を追おうとするが、その時突如通路横の仕掛けが発動)うぁおあ!!!(素っ頓狂な悲鳴を上げて立ちすくむ)

(ゼルよりも僅かに前方で歩を止め壁際に身を潜め)……ったく、強がりやがって…怖ぇんなら素直にそう言やぁ済むんだぜ…?(聞こえて来た悲鳴に苦笑しつつ、様子を伺う)

お、脅かしやがって‥‥(すくむ足をどうにか踏み出すも、今度はどこからともなく聞こえてくる不気味な声にぎょっとして立ち止まる)‥‥っ‥!

なあ‥サイファー‥なんか変な声が‥‥(闇の中に手を伸ばすが気配のないことに気づく)‥サイファー?‥‥(不安に青ざめ)お、おい‥?いねえのかよ?‥‥(とその時、突如生暖かい風が首筋に吹き付ける)‥‥!!(声にならない悲鳴を上げて首筋を押さえ、潜んでいるサイファーにも気づかず脱兎のごとく走り出す)

(闇雲に走って足がもつれ、どうにか手すりに捕まって堪えるものの、そこに天井から盛大な音と共に生首がぶら下がる)‥ぎゃああ!!!(今度こそ悲鳴をあげて座り込み)サイファー!どこにいんだよ、サイファー!!(しゃがみ込んだまま半泣き)

…ったく、チキンが!(目の前を通り過ぎ、向こうから聞こえて来た悲鳴に舌打ちをして走り出し)

(聞こえる声を頼りに蹲るゼルの姿を見つけ)おい、チキン…(驚かさないように声をかけながら近寄り)……どこのガキだ、てめぇは…(苦笑してしゃがみ込み)俺はココに、いるぜ?(しゃくり上げる体を抱き締める)

‥‥!!(声に顔を上げ、抱きしめた腕に咄嗟にしがみつく)ばか!どこいってたんだよ!!勝手にい、いなくなんじゃねえ!!(完全に泣き声になっている)

もう出る、外に出る!!ガキでもなんでもいいから!さ、さっさと外に連れてけ!!早く!!(喚きながらぐいぐい腕を引き)

……俺が悪かったからよ、んな喚くんじゃねぇ…(腕を引くゼルに宥めるように謝りつつ、自分の方に引き寄せ)

今、連れてってやるから大人しくしてろ。(腰を支えるようにして軽々と抱き上げ)…暴れたら落とすからな?出口が見えたら下ろしてやるから、安心しろ…(笑って言いながらゼルの唇に触れるだけのキスをして出口に向かう)

‥‥!(抱き上げられてぎょっとするが、キスに目を見開き口を噤む)‥‥う‥‥(暗闇の中、赤面して首筋にしがみつき固く目を伏せる)

(大人しくしがみつくゼルに満足し、足早に暗闇の中を抜け)…見えたぜ、出口。(あやすように背筋を軽く叩き、床に立たせ)

こっからなら歩けんだろ。(ゼルの手を強く握り締め)……こうしてりゃ、大丈夫だろ?行くぜ、チキン。(手を離さずに出口に向かう)

あ。(握られた手に一瞬顔を上げるがすぐに赤面してうつむき)う、うん‥‥(居心地悪げに頷きぎくしゃくした足取りでサイファーについて出る)

うお、まぶし‥!(外の陽射しに目を細め、繋いだままの手に気づく)あ。あ、あんがと‥(慌てて手をほどいてぷいと顔背け)

(横を向いたゼルから見えないように小さく笑い)拗ねるなって、な?…ちっと悪ふざけが過ぎた詫びに…(出口前にあるワゴンに歩いて行き)

……好きだろ、てめぇ。(アイスとキャラメルポップコーンを買って差し出し)ほら、これで機嫌直せ、な?(空いた手でゼルの髪を混ぜる)

べ、別に拗ねてなんか‥‥!(赤面して噛み付こうとするも、差し出されたアイスに言葉詰まり)‥‥う?(びっくりしてアイスとサイファーの顔を見比べ)

‥うん‥あんがと‥(恐る恐るふたつを受け取りなおもサイファーの表情を伺う)‥‥なんか‥‥あんた‥(言いかけて首を振り)いや。やっぱいいや。そだよな、誕生日だもんな。(ぶつぶつ言いながらポップコーン頬張り)

美味いか。(ポップコーンを頬張るゼルを覗き込み)……そうやっていつも素直にしてりゃ、可愛いんだぜ?(ゼルの手元から2〜3個ポップコーンを取り、自分の口に放り込み)

なっ‥!よ、余計なお世話だ!別に可愛いがられたかねえ!(ポップコーン噛みながらサイファーを睨み付けるが、一瞬その横顔にみとれ)

……甘ぇな(咀嚼しつつ甘さに苦笑し)…で?折角の誕生日だ、他にしてぇコトあったら言えよ。今日ぐれぇは、てめぇの我侭…全部、聞いてやる…(抱き寄せ額にキス)

‥へ?‥あ。(キスに我に返って赤面)わ、我侭っつうかその‥(小さく見を捩りふと思案顔)‥‥ホントに何でもきいてくれんのか‥?

ん?…当たり前だろ、俺が一度でもてめぇに嘘、言ったことがあったか…(思案顔のゼルを不思議そうに見て)

ほら、言いてぇコトあんなら言ってみろ…(伸ばした指でゼルの口元を軽くつつき)

‥んじゃその‥(口篭もり)‥‥‥か‥観覧車に一緒に乗って欲しい‥‥ってえのは‥‥?‥あ、いや、駄目ならいいんだ、うん!(赤い頬のままぶんぶん手をふり)無理は言わねえから!

……んだ、その程度か。何か知らねぇが、考え込んでたみてぇだからもっと大層な願いかと思えば…観覧車って、てめぇ…(少し呆れた様に溜息を付き)

どこまで可愛いコト言いやがんだ、てめぇのこの口は。(苦笑して唇を摘み)……乗るんだろ?観覧車。(ゼルに向かって腕を差し出す)

(唇摘まれしどろもどろ)い、いや、あんたがそういうの好きじゃねえの解ってるから!(なおも首降り)ごめ、調子乗りすぎた、もう言わねえから‥‥

‥って‥‥え、え??‥乗ってくれんのか?‥一緒に??(信じられない、という顔でぽかんと顔見上げ)

…そこまで驚くコト、ねぇだろうが……(僅かに不満を滲ませた声で)………どうすんだ、乗るのか乗らねぇのかハッキリしろ。(差し出した腕を引きそのまま腕組みをしてゼルを見やる)

あ‥い、いや乗る、乗る!!乗ります、乗りてえ!!(慌てて勢い良く立ち上がり)んじゃ早く行こうぜ、ほら気の変わんねえうちによ!!(肘をつかんでそそくさと観覧車の方にぐいぐい引っ張って行こうとする)

おい、チキン!んな、慌てねぇでも俺も、観覧車も逃げたりしねぇだろうが!(引っ張られながら声を上げて笑い)…ゆっくり、こうして……行こうぜ?(反対にゼルを引き寄せ、体を抱きこみ歩き始める)

わ、ちょっ‥!ば、ばか、人に見られんだろ‥!!(咄嗟に腕を押しのけようとするが、腕の温かさに力が鈍る)‥うう、くそ‥(渋々ながらもおとなしく歩を合わせて歩き)

あっちもこっちも、イチャ付いてんだ。(周囲をぐるりと眺め)誰も俺らのコトなんざ、気にしやしねぇ…(歩きながらも渋るゼルを丸め込むように囁き)……さて、お待ちかねの観覧車だぜ?(観覧車に辿り付き腕の中からゼルを離す)

(開けた視界に目を瞬き)‥うお、近くで見っとやっぱでけえなあ!(感心した声で見上げ)なあなあ、早く行こうぜ、ほら!(嬉々としてそわそわと袖を引き)

慌てて走って、足滑らせんじゃねぇぞ!(袖を引きながらタラップを駆け上ろうとするゼルに声をかけ)

飛び乗んじゃねぇ!(回ってきたゴンドラに飛び乗るゼルを見て笑い)……案外、狭ぇな…(次いで乗り込み呟く)

んん?狭え?ああ、そりゃあんたがでかすぎなんだよ!(可笑しそうに声上げて笑い)つか、足も邪魔だっつうの!(ふざけて長い脚を蹴飛ばす)

(落ち着きなく下を見下ろし)おー、すげえすげえ!ゆっくりなようでもあっという間に高くなんだよなあこれ!(窓に額押し付け)あ、ほらみろよサイファー!駐車場!あれ、オレらが乗ってきた車じゃねえ?なあ!(下覗いたままサイファーの膝をぱしぱし叩く)

…ったく、ガキみてぇにはしゃぎやがって…(喜ぶゼルに目を細め、聞こえないように呟き)叩いたら、痛ぇだろうが……(苦笑しつつ膝を叩くゼルの手を掴み)

ちったぁ、落ち着けよ……(掴んだ手をごと体を抱き寄せ)……分かってんのか?俺とてめぇ以外に誰もいねぇって、よ?………ゼル…(低い声で名前を呼び、唇を寄せていく)

ん?あ、痛かったか、ごめ‥‥?(振り返ろうとして、いきなり抱き寄せられて狼狽)え、え?い、いやちょっ‥!(近づくサイファーの顔と低い声にどきりとして硬直)ま、待っ、た、タンマタンマ!

こ、こんなとこで何考えてんだバカっ!(サイファーの肩を押し返しするりと逃げ)‥あ‥そうか解ったぜ!らしくもねえ優しいコト言いやがると思ったらやっぱあんたそういう魂胆だったんだな!!(真っ赤になって犬歯剥き)

そういう魂胆って、てめぇは…(逃げるゼルを追いかけ、ゆるりと身を起こし)今にも噛み付きそうなツラ、してんじゃねぇ…(ゼルの背後の窓に両腕を付き)

らしい、とか…らしくねぇとか、ワケの分かんねぇコト言ってんじゃねぇ…(ゆっくりと覆い被さりながら)いつだって俺が、てめぇを……してるって、知ってんだろ?(耳元で愛してると囁き、耳朶にキスを落とす)

これが噛み付かねえでいられるか!離せこの!!(暴れ)訳わかんねえのはあんたの方だろ‥!(なおも吠え掛かろうとするが、耳元の声にぎょっとして硬直)

‥‥え?な、に‥‥今、なんつった‥‥??(信じられない顔で恐る恐る聞き返し)

ああ?……聞き返すもんじゃねぇだろうが…(ゼルの声音と表情に瞬間、眉を寄せ)

……往生際の悪ぃチキンだぜ。愛してるって言ったんだ…少し大人しくしてろ…(囁きと共に唇にキスをし)……ん?てめぇ……(ゼルの反応がない事に気が付き、唇を離す)

(呆然としてサイファーを見上げたまま)‥‥あ‥(ようやく瞳の焦点が合い)‥‥え‥あ、あれ‥??(何やら釈然としない顔になる)

(しばし戸惑い、言葉を選ぶように)‥‥なあ‥サイファー‥?‥その‥誕生日だから‥なんだよな?‥‥朝から妙に優しかったのも、オレの我侭全部きいてくれたのも。‥‥今日が特別だからだよな?(漠然とした不安が表情に宿る)

てめぇこそ、どうかしてんぜ……(頬を両手で包み込むようにして瞳を覗き込み)俺は、いつもと変わっちゃいねぇだろ?

確かに今日はてめぇの誕生日だけどよ、だからっていつもと違うコトなんざ、してねぇつもりだぜ?…何がそんなに、不安なんだ。(ぎゅっと抱き締めて髪に口づける)

いつもと‥同じ?‥‥同じ、なのか‥‥?(抱き締められてますます困惑)‥‥いや‥うん確かに同じ‥なんだけど‥‥。

(ふと思いついたように)‥‥なあ、サイファー。あのさ‥‥えと。‥‥もいっぺん‥キスしてみてくんねえ‥‥?

てめぇからしてくれ、なんざ…どういう魂胆か知らねぇが……(瞳を覗き込んだまま顔を近づけ)

キスぐれぇ、いくらでもしてやる……(柔らかく唇を食むようなキスをする)

‥‥ん‥‥(瞼を伏せて大人しくキスを受け)‥‥‥‥(はっとして一瞬瞼を開き、離れたサイファーの顔を穴の開く程凝視する)

‥‥あー‥‥(何か言おうとするがなかなか言葉が見つからない)‥‥いや、やっぱサイファー‥‥だよな??(しきりに小首を傾げつつサイファーの頬を確かめるように撫で)‥‥オレの気のせいか。

(頬を撫でる手の感触に目を細め)…マジでてめぇ、どうかしたのか。朝から様子が変だとは思ったんだがよ…んな、キツかったか、任務。(手を掴み、慰撫するようにそこに口づける)

んん。そうじゃねえんだけど‥(サイファーの仕草にくすぐったげに首すくめ)‥いんや、いいんだ。(サイファーの手をとり、頬に押し当てる)‥‥優しくされんのはやっぱキモチいいしよ。(小さく笑って掌に頬擦り)

(ゼルの仕草に満足そうな笑みを浮かべ)……俺はいつだって、優しいだろ。分かってんのか?てめぇだけなんだぜ…俺が、んな風にしてやりてぇって思うのはよ…?(腕を引き立たせ、抱き締めて髪にキス)

うん。解ってる‥(うっとり瞬いて、胸元に鼻先こすりつけ)‥‥あ。そろそろ下りだしたなー。‥‥(名残おしげに腕の中から外見やり)

こうやって改めて見ると…(つられるように窓の外に視線を向け)んなゴミゴミしたモンでも、それなりに綺麗に見えんだな……(腕の中にゼルを抱いたまま点滅する光を見て呟く)

だなー。‥‥でもあんたと見る景色なら何だってオレは好きだけどさ。(もたれかかるように体重預け)‥‥このまんまずーっと降りねえですんだらいいのによ 。

‥‥なあ。(ふとサイファーの顔を見上げ)‥‥また‥一緒に乗ってくれる、よな‥?

ああ…約束、しただろ。てめぇが望むんなら、俺は何でも叶えてやるって、な?(鼻先にキスをし)…これが最後じゃねぇんだ、んな寂しそうなツラすんじゃねぇ…(抱き締める力を強める)

‥‥うん。(うつむき加減に笑って頷き)あ、もうつくぜ‥ほら、離せって。(いまさらながら赤面してそっと体押しのけ)

(先にたってゴンドラ飛び降り、背中の気配を意識しつつ駐車場に向かってゆっくり歩きだす)‥あ。(出口近くの売店前でふと足をとめ)

……ん?(立ち止まったゼルを見て横に並び)んだ、チキン。まだ欲しいモンでもあったのか?(売店を見ている事に気が付き、同じように目を向ける)

これ。(店頭にぶらさがっているマスコットキーホルダーを手にとり)これ欲しい。買ってくれ!(サイファーの目の前に突き出す←すっかり我侭慣れ)

…………(突き出された物を暫し凝視して)…ガキが…(笑い、呟いてゼルの手からそれを受け取り支払いを済ませ)ほらよ、落として後で喚くんじゃねぇぞ。(ゼルに向かって放り投げる)

うるせ!(受け止めて小さく鼻先に皺寄せ、掌のそれをじっと見つめて握り締め)‥あんがと。(ぼそ)‥んじゃ、帰ろうぜ!(踵返し)





(帰路を運転しホテル前に車を停め)おい、着いたぜ。俺はこの車、返して来るけど…てめぇはどうすんだ?そのまま一緒にガーデンに戻れるのか?

‥んあ。着いた?(瞼こすり←助手席でうとうとしていた)‥あー。(辺り見回し、少し考えてから)

んと。オレ、ちっと寄りてえとこあんだ。だから先帰っててくれよ。(どこか苦笑じみた笑いでサイファーを見つめ)

迷子になって帰って来ねぇなんて真似はすんじゃねぇぞ。(片腕を伸ばしゼルの頭を捕まえ)……何たって正真正銘のガキ、だからな…このチキンはよ…(顔を近づけそっとキスをして)

―――行け、遅くなっちまうぞ。(ゼルの体越しに助手席のドアを開ける)

うるせ、ガキ扱いすんな!(軽く睨んで唇尖らせ)ん。‥‥今日はあんがとな。今日のこと、オレ‥ぜってえ忘れねえから。(ドアを開けたサイファーの頬に掠めるようにキス)

(するりと車を降り)んじゃ、また後でな。あんたこそ、事故んじゃねーぞ!(最後に鼻をしかめてみせ、身を翻して車から小走りに離れていく)

……やってくれるぜ、チキンが…(頬を掠めたキスに指先で触れ小さく呟き)…んじゃ、行くとするか。(離れて行く後姿を見送り、再び車を発進させる)


Fin.

KALEIDOSCOPE GARDENIZEN